ドボ博 学芸員の部屋 002

東京マラソンの新コースからドボ博を見てみよう! 【東京インフラ解剖をめぐる vol.2】

こんにちは。ドボ博学芸員のS.Tです。このページでは、「学芸員の部屋」と題して、ドボ博のコンテンツをより楽しめるように、学芸員(スタッフ)独自の視点で楽しみ方を提示していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

今回は、「東京のインフラ解剖をめぐる」の第2弾として、来週開催される「東京マラソン2017」に勝手にタイアップし、「東京マラソンの応援をしながら、ドボ博コンテンツを見よう」と題し、東京マラソンのコース紹介&コース周辺に登場するドボ博コンテンツも一緒に紹介していきたいと思います。

 

今年(2017年)から、東京マラソンのコースは大きく変更になったことはご存知でしょうか??実は、私はつい先日まで知りませんでした。今年から、ゴール地点が臨海副都心ではなく、東京駅正面の行幸通りになりました。東京駅をバックにランナーがゴールするシーンは想像するだけで印象的なものになる予感がします。そして、コース全体もコンパクトになったので、いろんな場所で応援ができるようになったことも魅力です。

東京マラソンコース(公式HPより引用)

 

さて、早速コースを紹介していきましょう。

スタート地点は、これまでと変わらず新宿の都庁前です(ドボ博 071 新宿)。そこから靖国通り(ドボ博 032 昭和通り・靖国通り)を東に向かっていきます。このあたりは新宿御苑を中心とする緑のネットワークの一部でもありますね(ドボ博 072 明治神宮内苑・外苑、代々木公園、新宿御苑)。四谷界隈は、地形的にもスリバチとして楽しめる上に、コースからは外れてしまいますが、四谷四丁目の交差点付近には、昔の玉川上水の四谷大木戸跡などもみることができます。

東京インフラ071 新宿

 

スタートから4キロ経過すると市ヶ谷駅に近づき、目の前に外濠(ドボ博 084 外濠)が現れてきます。そこからは外堀通り沿いを進みます。外濠や中央線(ドボ博 060 中央線)と並行する姿は鉄道ファンも楽しいのではないでしょうか。個人的には、中央総武各駅停車(黄色い電車)に乗って、ランナーと並行しながらマラソンを眺めるのなんてのも楽しいかなと思います。新宿でスタートを見て、浅草橋まで移動してみるのはどうでしょうか???

飯田橋を経由し、7キロすぎで神保町の書店街を通りぬけ、約9キロすぎに神田駅を通過。ここでは神田下水(ドボ博 024 神田下水)跡が通っています。ここも、実はドボ博的には御茶の水まで外堀通りを進んで、聖橋か万世橋をわたってほしかったんですよね、、、でも、水道橋の交差点から御茶の水、秋葉原のあたりは台地を乗り越えていくのでアップダウンが激しいので、ここでランナーに負担をかけるよりも、ということなんですかね。

そして10キロ付近で日本橋(ドボ博 022 日本橋)を渡っていきます。トップランナーであればここまで30分程度でやってきます。中継をみているとあっという間でしょうね。

東京インフラ022 日本橋

 

日本橋からは、茅場町や水天宮、浜町といった下町を巡っていきますが、その周辺には首都高でもダイナミックな形をとる江戸橋ジャンクション(ドボ博 021 江戸橋ジャンクション)や箱崎ジャンクション(ドボ博 020 首都高)をみることができるとともに、清洲橋(ドボ博 019 清洲橋)を背に走る部分もでてきます。そして浅草橋を経由して浅草に向かいます。(この辺は隅田川橋梁群とランナーが並行するような空撮のカットとかないですかね。あれば個人的に萌えるんですけど。。。カラフルなランナーの服装とカラフルな橋梁群との関係はいい画になるかもしれないんだけどなぁ)

東京インフラ020 首都高

 

浅草(ドボ博 035 浅草駅)はおよそ15キロのチェックポイント。雷門を右折したらスカイツリー(ドボ博 034 東京スカイツリー)がドドーンとど迫力で見ることができるはずです。そこから折り返して、今年は蔵前橋を通って隅田川(ドボ博 007 隅田川)を渡っていきます。ドボ博的(S.T学芸員的)には「厩橋」を観戦スポットとしてオススメします!江戸通りにもランナーが見れるのに加え、蔵前橋を渡るランナーも見ることができる絶好のスポットになるはずです!(ただし、歩道は通行の妨げにならないように気をつけてくださいね。)

隅田川をこえると両国の復興記念館や江戸東京博物館の横を通って南下。清澄庭園横も南下して深川(ドボ博 015 本所・深川)、門前仲町、富岡八幡宮の前で折り返していきます。この辺は江戸時代の舟運の名残である小名木川(ドボ博 014 小名木川・小松川・船堀閘門)等を渡るときに細かくアップダウンがあるので、それによって変わる街の風景とレース展開に注目になりそうです。折り返し付近でようやく中間点。

東京インフラ015 本所・深川

 

門前仲町、両国、蔵前橋と先ほどのルートを折り返し、また南下して、浅草橋、浜町、水天宮、茅場町ともどってきて日本橋に戻ってくるのがおおよそ30キロ。このあたりでトップ集団はどういう展開になっているのでしょうか。

 

日本橋からさらに京橋を越えて、銀座の目抜き通りを通過していきます。銀座4丁目の交差点を曲がり、日比谷公園(ドボ博 087 日比谷公園)の横を通り、東京タワー(ドボ博 082 東京タワー)を横にみながら、東海道(ドボ博 077 東海道)も通って品川方面に向かいます。泉岳寺のあたりでは、先週話題になった、山手線新駅が建設予定地横も通ります(下記動画はそのために線路切り替えが行われた様子をタイムラプスでまとめたものです)。品川付近(ドボ博 078 品川)で折り返してもどっていきます。

 

 

日比谷まで戻ると、いよいよラストスパート。内濠(ドボ博 088 内濠)をみながらオフィス街(ドボ博 086 大手町・丸の内・霞ヶ関)を丸の内仲通り(ドボ博 003 丸の内仲通り)を通って行幸通り(ドボ博 002 行幸通り)でフィニッシュです。正面には皇居(ドボ博 001 皇居)、背景に東京駅(ドボ博 004 東京駅)を見ながらのシーンは華やかな雰囲気になりそうで今からでも楽しみですね。

東京インフラ002 行幸通り

 

これだけのコースを2時間余で走り抜けるというのはいかにランナーが速いかということがよく分かりますね。今回のコース変更で、新宿から飯田橋にかけて一気に40mあまりの高低差を下ったあとは、川を渡るときの高低差がいくつかある以外は「超フラット」な高速コースになりました。これも、下図の赤色立体地図からもわかるように東京の「下町」がコースのメインになっているからですね。また、多くのランナーが通ることから広い道路がルートになるわけですが、今回のルートには関東大震災後の復興計画によって整備された道路も多くあり、そういった視点で観戦するのもおすすめです。

提供:アジア航測株式会社

 

ランナーの応援をしながら、この東京を形づくってきた様々な土木や都市計画の過程やオリンピックに向けて更に変化していく東京の将来について想像してみるのも楽しそうですね。

 

最後に、東京インフラ解剖マップと東京マラソンコースを重ね合わせた地図と「ドボ博」的観戦オススメスポットを掲載しておきます。ぜひこの地図を参考にみなさんも応援orテレビ観戦してみてはいかがでしょうか。

S.T学芸員がオススメする、ドボ博的東京マラソン観戦おすすめスポット

①市ヶ谷〜飯田橋
:中央線各停に乗ってランナーをみながら外濠と並走するのは楽しそう!!そして寒くない!

②厩橋
:蔵前橋を渡るランナーの姿をみれる随一のスポット!水上バスに乗ってしまうのもあり!

③茅場町〜門前仲町
:ランナーを見るあいだに徒歩で移動しながら永代橋豊海橋をみることができる!

次回もお楽しみに!!

※当日は混雑や規制などにより、実際には立ち入ることができない場所があります。詳細は大会公式HPをご覧ください。
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