東京インフラ002 行幸通り

「オー・シャンゼリゼ」を口ずさみながら


東京の<心臓>東京駅から、皇居に延びる太い<血管>。

長さは短いが、幅員は帝都復興事業で整備された街路の中で最大の73m(40間)を誇る。これは、パリのシャンゼリゼ大通り(70m)とほぼ同規模である。

シャンゼリゼ大通りは目抜き通りの代名詞で、日本では銀座通りと並び称されることが多いが、行幸通りとの共通点も多い。天皇または大統領の館に接してつくられ、シャンゼリゼは凱旋門に、行幸通りは日露戦争の勝利を記念して皇居外苑に整備された凱旋道路(現在の内堀通り)に通じている。シャンゼリゼと比べ、利用する車は少なく、知名度もいまひとつだが、首都の中心としての象徴性という点では負けていない。

かつて道路の中央部分は、天皇行幸や各国大使の信任状棒呈式など、国家的行事・儀式の場としての利用に限られていた。しかし、2010年に整備が完了し、中央部分も常時一般利用が可能となり、さらに駐車場として使われていた地下空間も通路として整備された。周辺のビジネス街も、オシャレな商業施設を加えた複合的な空間に変貌し、にぎわいが生まれつつある。

その名にふさわしく、行幸通りには、これからも首都の中心として威厳を保ち続けてほしいが、その一方で、人を惹きつける魅力も大いに育んでもらいたい。時には、「オー・シャンゼリゼ」調の陽気な歌でも口ずさんで歩きたくなるような場所になってくれればよいと思う。(北河)
 

この物件へいく

種別道路
所在地東京都千代田区
規模延長364m
竣工年1926年
管理者東京都
設計者国(内務省)
備考土木学会デザイン賞奨励賞
建設概要デザイン賞

Leave a Comment

Back To Top