(日本語) ドボ博 座談会パート20

港と空港は、東京の「口」?!

Sorry, this entry is only available in Japanese.

「東京インフラ解剖」といきなり言われても、何の事だかよくわからない。そんな方にも、東京インフラを見る「とっかかり」を作ってもらうため、独自のこだわりをもつ専門家による、マニアックな座談会を行いました。壁マニア、地形マニア、橋マニア、鉄道マニア・・・。これを読めば、きっとあなたなりの東京インフラの見方が見つかるはずです。

 


 

パート20 港と空港は、東京の「口」?!

北河さん

今の港って、なんていうか、普段の生活から縁遠い感じがしますよね。

(港にくわしい)八馬さん

やっぱり、入れないところが多いですから。公園とかあれば別ですけど。税金がかかる前の保税区域は、国外みたいな扱いだし。フェンスで区切られて、管理も厳重ですよね。まあ、市民生活とは隔絶された世界になりがちですね。

(スリバチ学会の)皆川さん

都市のバックヤード。

(港にくわしい)八馬さん

そういう意味でも、バックヤード感が強いんじゃないかな、と思うんですけど。

(カメラマンの)大村さん

外から見ると、玄関ですよね。ガントリークレーンの後ろに、僕らが住んでいる、ていう。

 

東京インフラ079 東京港

 

(マニア目線の)八馬さん

旅客だったら、外から都市に入るメインの入口は、ターミナル駅か空港ですけど。船はそんなに。

(カメラマンの)大村さん

物流と旅客で、桟橋が分かれてますもんね。

(マニア目線の)八馬さん

それこそ、田村さんが設計に関わった横浜大さん橋なんかは、旅客ターミナルだし。

(カメラマンの)大村さん

鉄道も、貨物ターミナルと、旅客ターミナルとで分かれてる。空港だけですよね。貨物専用の空港って聞いたことがない。滑走路を眺めてると、あれはフェデックスの貨物機とか、その次にJALの旅客機が飛んでくる、みたいな。

 

東京インフラ065 羽田空港

 

(マニア目線の)八馬さん

混ざってますね。

(駅のことなら)田村さん

鉄道でいうと、僕が学生のころは、渋谷駅とかを、いきなり貨物列車がゴーって走ってましたよね。東京ってすごいなー、って思いました。

(カメラマンの)大村さん

今はだいぶ減りましたよね。

(鉄道のことなら)小野田さん

あれは山手貨物線。今も1日何本かは貨物列車が通るけど、昼間はほとんど通らない。

(山手貨物線については、下の図版を使って、小野田さんに特別に解説してもらいました。学芸員の部屋013をご覧ください(学芸員S.T記))

ドボ博 学芸員の部屋013

(駅のことなら)田村さん

学生のころは、物流っていうのが、自分の生活にもっと身近だったんだけど。確かに今は見えなくなってますよね。

(鉄道のことなら)小野田さん

宅急便のトラックは、しょっちゅう見てるけどね。

(ドボク素人な)大山さん

ところで港って、人体で言うと、何なんですかね。さっきの話で、人がくるところと、荷物がくるところが別ってことですけど。

北河さん

東京インフラ解剖では、どっちも「口」。東京の「口」。

(ドボク素人な)大山さん

旅客も貨物も両方とも口でいいんだ。面白いなぁ。

(カメラマンの)大村さん

外から入ってくる、っていう意味では。

(マニア目線の)八馬さん

そういう意味では、「口」が一番あってると思いますけど。

北河さん

まあ、<消化器系>ですね。空港や港から入ったモノが、<胃袋>である築地や、<肝臓>の京浜・京葉工業地帯で<消化>されていく...

東京インフラ006 築地

東京インフラ063 京浜・京葉工業地帯

 

北河さん

さて、このへんで、座談会も2時間くらい経ちましたが。ネタはそろいましたかね。

(ドボク素人な)大山さん

十分すぎるぐらい(笑)

(マニア目線の)八馬さん

消化できない(笑)

(スリバチ学会の)皆川さん

これ、まとめるんですか。今の話を。こんな、とりとめのない。

北河さん

時間も遅くなってきたし、そろそろ終わりにしますか?

(ドボク素人な)大山さん

皆さんがとにかく楽しそうなんで、もっと見ていたいな、と(笑)。お互いに、へー、って言っているのが面白い(笑)

(マニア目線の)八馬さん

これだけ分野の違うマニアが集まって話すことって、あまりないですからね。

(ドボク素人な)大山さん

じゃ、僕が得をしているんだ(笑)

北河さん

まあ、貴重な機会ですよね。じゃあ、皆さんまだ話し足りない感じでもあるし、もう少し続けますか。

 

【次回へつづく】

 

 


座談会アフタートーク

■貨物列車の時刻表がある??

鉄道ファンの方はご存知のことかと思いますが、わたしたちが乗るわけではない貨物列車のみが掲載された「貨物時刻表」というものがあります。実は中を見てみると、貨物列車は想像以上に日本列島をダイナミックに動いていることがわかります。今回小野田先生が話題に出されていた「夜に渋谷を通過する山手貨物線を通る貨物列車はどこだ?」といった発見も時刻表から捉えることができるかもしれませんね。

□貨物時刻表の詳細(購入など)について(公益社団法人鉄道貨物協会HP)
https://www.rfa.or.jp/timetable/sell_timetable.html

 

■日本の港湾コンテナターミナルはもっと進化する??

グローバル化した世界の中で物流のためのインフラ空間をどのように構築するかは都市としても重要です。国土交通省の資料(下記リンク)によると、日本における港湾別コンテナ取扱個数は、1980年~2016年の35年余りで東京港は7倍以上,横浜港は4倍近くにも増加しましたが、世界のランキングでは東京港は18位から30位、横浜港は13位から52位へと順位を落としています。中国をはじめとしたアジアの港湾の取扱量の増加が顕著です。

コンテナ船の大型化や港湾ターミナルの高度化が進む中で、日本においても大型コンテナ船対応、荷捌きの高度化に対応した進化したターミナルが必要とされています。そうした中、2017年には横浜港に既存よりも水深が大きいコンテナターミナルが整備されました。日本の港湾はこれからもっと進化するかもしれませんね。

□世界のコンテナ取扱量の比較(1980年,2016年)
http://www.mlit.go.jp/common/000228237.pdf

□横浜港 南本牧ふ頭地区コンテナターミナル整備(国土交通省 京浜港湾事務所HP)
http://www.pa.ktr.mlit.go.jp/keihin/business/honmoku-mc3/index.html

 

 


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