ドボ博 座談会 パート16

zadankai

「東京インフラ解剖」といきなり言われても、何の事だかよくわからない。そんな方にも、東京インフラを見る「とっかかり」を作ってもらうため、独自のこだわりをもつ専門家による、マニアックな座談会を行いました。壁マニア、地形マニア、橋マニア、鉄道マニア・・・。これを読めば、きっとあなたなりの東京インフラの見方が見つかるはずです。


パート16 “街は際にできる?”

(土木マニアな)八馬さん

川と駅の関係でいうと、川のそばに街ができ、街があるから駅ができやすい、っていうのもあるかもしれませんね。

(渋谷に詳しい)田村さん

ただ川といっても種類が違うんですよ。渋谷川は自然で、外堀は人工のお堀で。玉川上水は上水じゃないですか。

東京インフラ075 渋谷

東京インフラ084 外濠

東京インフラ049 玉川上水

北河さん

でも川と駅が関係しているところって、少ないんじゃないですか?全体としたら。

(スリバチ学会の)皆川さん

ありますよ!大塚や大井町。丘だと池袋とかがありますね。

(土木マニアな)八馬さん

池袋は「池の袋」と書きますもんね。

(スリバチ学会の)皆川さん

池袋は高台なんですよ。低いところじゃないんですよ。

(渋谷に詳しい)田村さん

池袋、新宿は高台。渋谷は谷ですね。

(スリバチ学会の)皆川さん

高田馬場は低くて、目白は高台。

北河さん

あの辺は神田川が通ってますね。確かにありますね。

(スリバチ学会の)皆川さん

ありますよ。地形は川によって凸凹してるんですから。

アジア航測株式会社提供画像を元にドボ博が加工

(橋に詳しい)紅林さん

駅は、川と街道が交差するんですかね。

(渋谷に詳しい)田村さん

渋谷は大山街道、今の246ですね。新宿は甲州街道。

(橋に詳しい)紅林さん

宮益坂を降りていったところに、渋谷川がちょうど流れますよね。あそこのところに宮益橋があるんです。明治の20年くらいに石のアーチが架けられているんですよ。だから結構な街道だったんですね。

(土木マニアな)八馬さん

その頃に石のアーチっていうことは、相当気合を入れて作ってる。

(橋に詳しい)紅林さん

幹線道路ですね。

(渋谷に詳しい)田村さん

宮益公園へ抜けられるビルの間で,現在自転車やバイクの駐輪場になっているところが、渋谷川ですよね。

北河さん

中沢新一の『アースダイバー』には、渋谷の宮益坂や道玄坂には、かつて墳墓が掘られていて、スクランブル交叉点あたりは昔から死霊に見られている、みたいな話がありましたよね。

(スリバチ学会の)皆川さん

縄文時代はさすがに海水が来ていたので住めなくて、丘に住んでたんでしょうね。

北河さん

丘から海を見下ろしてた。

(スリバチ学会の)皆川さん

結局全部丘の上ですよね。

(壁写真の)杉浦さん

谷と丘の際なんかに住んでたんでしょうね。

(スリバチ学会の)皆川さん

当時生活するのに良いのは際のところだから。そんなところは、歴史の堆積も大きなスケールで捉えることができそうですね。

 

【次回へつづく】

 


■座談会アフタートーク

■アースダイバーマップBisで縄文時代の東京を感じてみる

 今回話題にあがった『アースダイバー』ですが、多摩美大中沢新一ゼミと首都大学東京のコラボレーションにより、GoogleMapやGoogle Earthを通して縄文時代の東京の様子を知ることができる「アースダイバーマップBis」が公開されています。

 このサイトを通して、海食崖の上にいて海を見下ろしていた、というアースダイバーにでてくる様々な情景をより体感することができます。

 http://e.mapping.jp/

 


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