東京インフラ012 葛西臨海・海浜公園

海に浮かぶ<人工肺>


干潟を人工的に復元し、工業化により失われた自然環境を再生した左右の<人工肺>。臨海公園を核とした緑のネットワークに囲まれるように、都市再開発用地、住宅用地、流通業務用地、下水処理場用地といった<循環器系>と一体的に計画された。

荒川と江戸川に挟まれた遠浅の海が広がり、かつては海苔栽培や漁業の町であった。「三枚洲」には海苔ヒビが林立し、ハゼや野鳥が生息した。1960年に決定した「東京都海上公園構想」は、葛西沖から羽田沖までの東京地先の全海域と埋立地を対象とした計画で、自然海岸がもっている”海-海浜-陸”とつづく連続性を重視しそれを復元するとともに、多様な公園機能を盛り込もうとするものであった。

東京湾に残る貴重な干潟である三枚洲の一部に造成された東京初の人工なぎさは、モンテカルロなどの人工海浜技術を参照したもので、東西の導流堤は石積式傾斜堤構造とするなど土木と生物の両分野の技術が結実した。

谷口吉生設計による葛西臨海水族園は、恩賜上野動物園開園100周年記念事業として構想されたもので、海と連続する水の中に潜ってゆくデザインが多くの人の心を魅了する。

対岸の一大リゾートと対照的にすっくと聳える巨大観覧車は、東京湾を抱くような海の<肺>と呼応するようにゆっくりと回り続けている。(土井)
 

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種別公園
所在地東京都江戸川区
規模水域面積約412ha、陸域面積0.2ha
開園年1989年
管理者東京都

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