東京インフラ029 御茶ノ水橋梁

橋梁は小粒でもぴりりと辛い


御茶ノ水付近で神田川に架かっている橋梁は、そのほとんどが神田川のはるか上空で山手台地を跨いでいるが、東京地下鉄丸ノ内線の御茶ノ水橋梁は地下鉄の橋なので、最も低い水面すれすれの場所を通過している。神田川は今も舟運が行われているため、船舶の通過を前提として橋を設けなければならず、流心部に橋脚を建てることは避けなければならなかった。

1956年に完成した丸ノ内線の御茶ノ水橋梁は、この界隈の橋梁では新参者であったが、聖橋や御茶ノ水橋(道路橋)などの大先輩に負けない新たなスタイルの橋梁を架けるべく、委員会を設置して専門家の議論が尽くされた。元鉄道省技師で東京大学教授の田中豊、東京都建設局長の石川栄耀、帝都高速度交通営団理事の水谷當起など斯界の権威が集結し、完成したのが御茶ノ水橋梁であった。

検討の結果、複線下路ボックスガーダという特殊な構造の橋梁が採用され、神田川を斜めに跨いだ。トンネルをくぐり抜けてきた地下鉄から、ほんの一瞬の車窓の眺望を楽しむことができるように、桁高を車窓より低い位置とし、表面の仕上げに沈頭鋲を用いてスマートな桁を実現するなど、見所も多い。支間わずか36mの小規模な橋梁であるが、当時の橋梁工学の権威が議論を尽くして完成した御茶ノ水橋梁は、戦災復興を経て日本の土木技術がふたたび前進を開始したことを示す記念碑的構造物となった。(小野田)

 

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種別鉄道橋
所在地東京都千代田区
構造形式鋼製 桁橋
規模橋長36m
竣工年1956年
管理者東京メトロ
設計者営団地下鉄

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