東京インフラ047 新豊橋

手描きの線が生み出した美しいアーチ橋


永代橋や清洲橋など、関東大震災の帝都復興計画で数々の名橋が架けられた隅田川。その上流部、隅田川と荒川を仕切る岩淵水門から2kmほど下った場所に架かる美しい橋が、新豊橋である。設計を担当したのは、優れたデザインの橋を数多く手がけている大日本コンサルタント株式会社。設計にあたっては、隅田川の復興橋梁群の精神を受け継ぎ、現代の都市景観に調和しつつ、先端技術や新しい発想を取り入れたという。
特に注目したいのは、美しい側面シルエットだ。端正でありながら味わいのある曲線は、戦後日本を代表する橋梁エンジニア・田村幸久の手描きの線をベースにしたものである。土木的なスケールにおいても、熟練したエンジニアの手業はコンピューターに勝ることを教えてくれる。このほか、橋桁の裏側の美しい納まり、ピンコロ石を利用した橋台周りのすっきりとした空間、排水管を見せない工夫など、細部に至るまで丁寧に設計されているのも特徴である。
なお本橋は、復興局橋梁課長として多くの帝都復興橋梁を手がけ、その後東京大学教授を歴任し、日本橋梁界に多大な功績を残した田中豊を記念し、優れた橋梁に授与される土木学会田中賞を2007年度に、土木学会デザイン賞最優秀賞を2009年度に受賞している。(二井)

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種別道路橋
所在地東京都足立区・北区(隅田川)
構造形式鋼製 単純箱桁+アーチ複合橋
規模橋長105m
竣工年2007年
設計者大日本コンサルタント(株)
施工者川田工業・IHI・JFEエンジニアリングJV,(株)島村工業,日特建設(株)
備考2007年度土木学会田中賞受賞 2009年度土木学会デザイン賞最優秀賞

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